阿武隈改二が選ばれ続ける理由

改二実装以来、最強の軽巡洋艦として君臨し続ける”阿武隈改二

彼女はなぜ”すべて阿武隈改二でおk”であり続けるのか。

なぜ、阿武隈改二は選ばれ続けるのか。

私の個人的見解を大いにまじえつつ紹介していきたい。

阿武隈改二実装

阿武隈改二の実装は2015年7月17日に行われた。

その時、歴史が動いた

艦娘固有の特殊能力。
今でこそ個別にその艦種が装備できないものが装備できたり、特殊能力持ちは当たり前の仕様となっているが、当時は斬新だった。

  • 甲標的装備可能
  • 大発動艇装備可能
  • 射程:短

は?
設計図ありにしても強すぎでしょ。

当時はまじでこんな気持ち。

この阿武隈改二以降、

  • コンバート改装・装甲空母化した翔鶴改二甲・瑞鶴改二甲
  • コンバート改装および大発・大型電探装備可能な霞改二乙

など、艦毎の特殊能力持ちは広く実装されていくのであった。

マップの分岐条件まで変えた女

これに関しては史実との兼ね合いを考えると元の仕様がおかしかったとも言えるので、阿武隈改二の影響とは言い切れない。

しかし、阿武隈改二の登場とそれに伴う任務実装で既存海域の分岐条件が変わったという事実は確かだ。

もちろん、変わらなければ”絶対にクリア不可能”という前提があったからではあるが…。

それまでの3-2は駆逐艦のみの編成でしかボスに到達できなかった。

阿武隈改二実装に伴う任務追加により、分岐条件が変更された。

環境とシステムに愛された女

そもそも先制雷撃がシステム上クソ強い

その昔、雷巡ゲーなどと揶揄されたようにとにかく艦これでは先制雷撃はクソ強い。

というのも、やる前にやれがこのゲームの鉄則だから。

空母が強いのもこの鉄則が一因と言える。

敵が攻撃してくる前に、敵を減らせる要素はできる限り増やしたい。

厄介な敵に一度でも動かれて味方が大破したら即撤退なんだもの。

先制雷撃が強いのは当たり前なのである。

連合艦隊では”軽巡洋艦が1隻必要”

14年夏イベントより実装された”連合艦隊“。

システムの制約として第2艦隊に必ず軽巡を1隻入れなければならない

これが”全て阿武隈改二でおk“な状況を結果として後押ししてしまっている。

前述の先制雷撃の有用性が高すぎて、阿武隈改二以外を選択する理由が薄いのだ。

強いて言うなら、阿武隈改二より素の火力・雷装も高く夜偵も積める神通改二かスロット数の多い大淀改・夕張改が稀に阿武隈改二より優先度が高くなる程度。

このように高性能艦娘だけの攻略を防止するため、同イベントで”お札システム“が実装されているが、これも同じ艦娘を複数所持することで対処可能である。

阿武隈改二は改装に設計図を要するが、設計図を消費してまでも複数所持する恩恵がデカすぎると判断した提督も多く、札対策で4隻所持している人までいる始末。

ちなみに私はあまりに強すぎるので1隻だけに留めている。

勲章=設計図だだあまりなので複数所持は考えるんだけど。
阿武隈はあまりに強すぎるので1隻だけ
最近の甲作戦難易度とカタパルト配布で暗に運営は複数所持前提にしてるような気もするけど。

“艦これ”では基本的に”弱体化”は行われない

艦これ…というか一人用オンラインゲームの常とでも言うのだろうか。

”弱体化”はユーザー心理を慮って行われにくいのである。

というのも”特定のキャラを弱くする”よりは”他のキャラを強くする”方が多くのユーザーが喜ぶに決まっているからだ。

艦これでも過去に味方側で明確な弱体化が行われたのは”あからさまなバグ”ぐらいで、基本的に”ステータス下降”や”今まで出来たことが出来なくなる”といった下降調整は行われないのである。

そのため軽巡唯一の”先制雷撃可能”に加え”大発装備可”などの破格の性能を誇る阿武隈改二は軽巡界の女王として今も君臨し続けるのである。

“甲標的”による先制雷撃

前述の通り”やる前にやれ”が鉄則の艦これでは先制雷撃がとにかく強い。

他に先制雷撃ができるのは雷巡・潜水艦・水母のみであり、雷巡・潜水艦に関してはその性能のピーキーさからしばしばイベントで強制的にボスに到達できなくなるいわゆる”出禁”となることもある。

しかし軽巡である阿武隈改二は”連合艦隊の軽巡1隻必須”というシステムの都合上”出禁”となることがなく、雷巡の代わりに先制雷撃をぶっ放しまくれるのだ。

”甲標的”か”阿武隈”自体が羅針盤逸れ条件になるイベント海域もそう遠くはないだろう。

直近のイベントで大躍進

阿武隈改二実装以降初のイベントとなる2015年夏イベント「反撃!第二次SN作戦」。

このイベントで早速、阿武隈改二は鬼神の如く活躍を見せることとなる。

  • EO海域であるE6、E7で雷巡出禁
  • よって先制雷撃枠として阿武隈改二の需要が相対的に増す

とくに15夏E7のラスボスである装甲395333を誇る最強のイージス艦駆逐艦”防空棲姫”。

「雷巡なしでこんなのどう突破すればいいんだよ!」

あまりの絶望感。艦これ界隈にお通夜ムードが漂った。

15夏初の実装となるギミック(装甲破砕効果)は当初判明していなかった。

このクソ装甲をぶち抜くには”夜戦火力キャップ魚雷カットインで高乱数引く”しかないと決断した提督たちは、こぞって雷巡の代わりに道中安定+魚雷カットイン狙いで阿武隈改二を起用した。

防空棲姫の装甲333を抜きにしても、もともと道中の敵が尋常ではなく厄介な海域であったため、阿武隈改二の起用率は極めて高かった。

深海棲艦どもに言っておきたい。

雷巡がいなければ、阿武隈がいると思え。

輸送作戦実装により重要度増加

こうして15夏は阿武隈改二の輝かしき晴れ舞台となった。

続く15秋イベントでもそれは変わりなかった。

―――輸送作戦の実装である。

輸送作戦の特徴として

  • 雷巡出撃不可
  • 軽巡1隻以上必須(連合艦隊の場合)
  • ボスゲージの減少量に大発があると有利

と、阿武隈改二に非常に有利な条件が揃っていたのだ。

輸送部隊では雷巡が使えない?

なら、阿武隈を使えばいいじゃない!

魚雷カットイン要員として

運改修を優先すべきおすすめ艦娘10選でも実質優先度1位として紹介してるが、

  • 初期運20(運初期値の平均12と比べて、まるゆ改5隻=1セット分お得)
  • 魚雷×2装備による先制雷撃の威力強化
  • 魚雷×2で夜戦火力キャップ到達可能

と、まるゆによる運改修先としても十分に魅力的な条件が揃っている。

ただでさえ素の能力でも強いと言うのに

「運上げて魚雷カットインしてね♪」と言わんばかりの性能なのである。

参考記事

まるゆによる運改修を優先すべきおすすめ艦娘10選
運改修を優先して行いたいおすすめ艦娘10選です。運改修に関する知識や、他の運改修の選択肢として候補に挙がる艦娘を紹介しています。

大発搭載による遠征効率上昇

今でこそ、遠征の肝となる駆逐・軽巡の大発搭載艦は増えたが、阿武隈改二実装当時は同条件を満たす艦は阿武隈改二のみだった。

先制雷撃のみならず、遠征ブラック勤務まっしぐらだったのだ。

なお今も大発系統の装備を搭載できる軽巡は、遠征・輸送特化の姉妹艦”鬼怒改二”と阿武隈改二のみで、軽巡の遠征・輸送部隊要員としても未だ根強い需要がある。

対潜先制爆雷攻撃も可能

2016年6月30日に実装された”対潜先制爆雷攻撃”。

阿武隈改二もこの対潜先制爆雷攻撃の恩恵を受けることとなる。

改二改装段階で三式ソナー×2+三式爆雷での先制対潜が可能。

おまけにケッコンカッコカリなしで
ソナー+三式爆雷+甲標的の
シナジーあり先制対潜+先制雷撃の両立まで可能なのだ。

ここまで来ると、
阿武隈改二に出来ないことを探す方が難しいレベル

参考記事

ケッコンカッコカリなしで「対潜先制爆雷攻撃」できる艦娘一覧
ケッコンカッコカリなし(=Lv99以下)で先制対潜できる駆逐艦・海防艦・軽巡洋艦(雷巡・練巡含む)の早見一覧表です。 駆逐艦に関しては…

射程:短

他の能力や環境要因が強すぎて忘れがちだが、阿武隈改二の凶悪な性能を後押しするかのように「射程:短」に設定されている。

五十鈴改二との比較

「射程:短」の軽巡は「五十鈴改二」が以前からいたが、五十鈴は水上機搭載不可。

一方、阿武隈改二はとくにデメリットなしに「射程:短」。

それどころか阿武隈改二の性質上ほとんどの場合「射程:短」はメリットとなる。

流石に五十鈴が不憫すぎたと思ったのか、その後五十鈴改二には

  • 固有対空カットイン追加
  • 装備なしで対潜先制爆雷攻撃可能

などの能力が追加されている。

が、阿武隈改二の有用性には及ばない。

五十鈴改二は

  • 改・改二で序盤・中盤では有用な装備を持参
  • 対空カットインが容易に発動可能
  • 装備なしで先制対潜可能
  • 改修工廠でサポートできる装備が豊富

など、”初心者提督の筆卸し要員”として独自の道を歩み続けているのである。

私もお世話になりました。

艦これでは射程が短い方が選択肢上有利

艦これでは”射程を伸ばす方法”はあるが、逆はない。

とくに先制雷撃要員は昼連撃不可となり、昼砲撃が弱まるため短い方がよい。

そのため「射程:短」だけでも阿武隈改二にとってはメリットであるのだが、それに加え以下のような芸当もできることとなる。

  • 射程:中の昼砲撃を邪魔しない魚雷カットイン要員+先制雷撃
  • 射程:中の昼砲撃を邪魔しない対潜+先制雷撃
  • 射程:中の昼砲撃を邪魔しない対陸地敵要員
  • 射程:中の昼砲撃を邪魔しない昼連撃要員

このように「射程:中」の艦の昼砲撃を邪魔せずに先制雷撃や対潜要員としても活躍できるため、戦略の幅が非常に広くなるのである。

あまり使うことはないが水上機搭載可能であるために「射程:短」のまま「主砲+主砲+偵察機」による昼連撃も可能。

オンリーワンの上に超器用、それが阿武隈改二である。

キャラクター性

阿武隈改二はその有能さとは裏腹な、お茶目でウザかわいいキャラクターも魅力的だ。

”ウザかわいい”キャラクター

阿武隈は、これは本当に私の勝手なイメージですが、ウザかわいいを目指しました。

出典:艦これスタイル 壱 鎮守府生活のすゝめ 改 野水伊織インタビュー記事

艦これスタイル 壱 鎮守府生活のすゝめ 改 (エンターブレインムック)

艦これスタイル 壱 鎮守府生活のすゝめ 改

このように、阿武隈の声を担当している野水伊織さんご本人直々に「ウザかわいい」というキャラクター性を意識して演じられたと語られている。

阿武隈の漢字、覚えてくれました?

阿武隈の提督へのコミュニケーション方法は「名前の漢字を書いてもらうこと」である。

もちろん、こんなにお世話になっている功労艦の漢字を間違うわけないのだが

怒る姿が可愛いのでわざと間違えている

ことは言うまでもない。

んぅうん、従ってくださぁああい!

改二実装以降、ほとんどのイベント高難度海域攻略をこなす歴戦の強者であるのだが、

他の艦娘に従ってもらえないようである。

しかし、従ってもらえなくても本人が2隻分以上の仕事を余裕でこなす性能なので、提督的にはあまり問題ない。

でもやる時はやる

やる時はやるんだから」と本人は言っている。

が、ほぼ全ての面でやること以上のことはやっているので自信を持っていただきたい。

ちなみにケッコンカッコカリで本人の自信のなさに対する台詞も聞けるの

彼女にお世話になっている提督諸氏は是非とも聞いていただきたい。

小説「陽炎、抜錨します!」のびっくり台詞

ちなみに艦これノベライズ作品「陽炎、抜錨します!」でも阿武隈は登場する。

原作のように自信がなくどこか頼りない性格は健在だが、その奥には史実同様歴戦の武勲艦らしい闘志が秘められている。

その象徴的台詞がこれだ。

「さあ。でも、天国は知らないけど、地獄はあるとおもうよ。ないと困る」

阿武隈は言った。

「あたしたちはそこに行くんだ」

あっはい。

改二実装前の作品だが、改二で躍進する阿武隈ならばこの台詞もさもありなん。

陽炎、抜錨しまう!5巻」での阿武隈の活躍もなかなか面白かったので興味のある方は是非ともチェックしていただきたい。

参考記事

熱血王道青春物語「陽炎、抜錨します!」作品紹介・感想まとめ
みなさん、艦これノベライズ作品「陽炎、抜錨します!」はお読みになられているでしょうか? 個人的には「艦これノベライズ」だけとし…

阿武隈改二を越える軽巡改二は来るのか?

このように2015年7月の実装以来、依然最強で在り続ける阿武隈改二。

彼女を越える軽巡は今後実装されることはあるのだろうか?

史実的に甲標的積めそうな軽巡いないから無理。

先制雷撃”による「やる前にやれ」が艦これシステムの正義であり続ける限り、阿武隈改二は今後も選ばれ続けるであろう。

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